おもな乾燥方法には、自然乾燥、熱(風)乾燥、凍結乾燥等があります。
凍結乾燥は、熱(風)乾燥で乾燥すると分解変質変色等が起きてはならないものに適しています。 特に食品等では、風味を損なってはいけないものに適しています。
凍結乾燥の工程は以下の1~5の順で進められます。
※記録計で各工程における温度と圧力の状態を記録しながら、装置の運転状態と試料の乾き具合を確認します。
試料凍結する工程です。
試料(乾燥物)のあらかじめ凍結を行います。
真空凍結乾燥では、乾燥物は凍結したままの状態で乾燥を行います。
よく冷やし凍らせるこれを最初に行ないます。
コールドトラップを冷やします。凍結乾燥でコールドトラップは重要な役割を持っており、無くてはならない重要な所です。
コールドトラップの役割は、乾燥中に発生する水蒸気を凝縮し氷として蓄えることで、
除去される資料(乾燥物)の水分は,氷(固体)から直接水蒸気(気体)となり、乾燥室からコールドトラップへ氷の状態で集められます。
真空中では、乾燥室とコールドトラップの温度差によって圧力の差が生じ、乾燥室内の水分が蒸気となって、コールドトラップに集まります。
乾燥室とコールドトラップとの温度差を、なるべく大きくすること乾燥時間を早くするということにつながります。
とにかく良く冷やしましょう。
真空ポンプを動かし、中の気体(空気、水蒸気等)を排気します。そうすると庫内は真空状態なります。真空中では大気よりも低い温度で蒸発がしますので、常温でも品物が良く乾燥します。
凍結された試料(乾燥物)から水分(氷)が蒸発できる条件を作るのが真空排気の目的です。
より高真空にすることによって、より水分量の少ない良い乾燥が出来ます。
真空にそのまま、乾燥物を放置すると、蒸発する熱でどんどん乾燥するものの温度が冷えてしまい、蒸発が停止してしまいます。
そこで棚を加熱して昇華を活発にさせ、乾燥速度を速めさせます。
氷1kgが蒸発して水蒸気となるためには約675kCalの蒸発熱が必要です。
試料から連続的に水分を蒸発させるためには,この熱量を供給しなければなりません。
棚を加熱して、この蒸発潜熱を供給しつづけるのがこの工程です。
コールドトラップに試料(乾燥物)から蒸発した水分が氷となって付いていま すので、次の運転に備えて融氷(氷を溶かす)するのがこの工程です