凍結乾燥機 メンテナンス Vベルト交換をやってみよう。

宝エーテーエム社製フリーズドライ装置は国産の真空ポンプを採用しているので、消耗部品のVベルトも入手しやすく、工具店やホームセンターで購入が可能てす。今回は真空凍結乾燥機のVベルトの交換に挑戦します。

フリーズドライを行う真空凍結乾燥機用真空ポンプのVベルト交換

凍結乾燥機の自分でできるメンテナンスの1つに「真空ポンプのⅤベルト交換」があります。
自分でできるならやってみたいですよね…?
難しい作業ではありませんので、ぜひチャレンジしてみてください。
凍結乾燥機のVベルト

そもそも凍結乾燥機のVベルトとは

凍結乾燥の真空ポンプの動力を伝えるための部品で、真空ポンプとモーターに渡って張られているゴムのことです。規格品であり一般のホームセンターや工具屋さんなどで購入できます。近年ではネットでも購入が可能なようです。

Vベルトは歯車とは違い、動力の伝達を摩擦力で行う巻掛け伝動装置に使うベルトの呼称で、規格でA-○○、B-○○と形状と長さが決まっているので、どのメーカーものでも使用することができます。
宝エーテーエム社製の真空凍結乾燥器に使われている真空ポンプは、ベルト駆動型真空ポンプが内蔵されています。
直結型に比べ、個々の部品に分かれている為部品の交換がしやすく部品点数が少ないので耐久性にも優れています。ベルト交換は少々面倒かとは思いますが、本体が長く使える方が良いですよね。直結型と比べると感覚的にですが、寿命が3倍以上あるのではないかと思います。もちろん乾燥物によって、発生ガスなどが違いますので一眼には言えませんが・・・。

凍結乾燥機のVベルト拡大

凍結乾燥機でしようされているVベルトの種類

Vベルトは様々な産業用機械に使われている為、種類も沢山あります。
耐熱に優れているもの、耐油や耐屈曲性などただ、形状と長さについては規格品ですので、どのメーカーのものでも使用が可能です。
宝エーテーエム社製のフリーズドライ機に真空ポンプには基本的にスタンダード型が使われています。
形はA,Bにも種類があり、A34、A35あとにつく数字によりサイズ(長さ)が違います。
本体の見やすい位置に交換用Vベルトの型式がシールで貼ってあるので確認しやすいです。初めて交換する場合は取り外したVベルトの外周にA○○、B○○、と表示があるので同じもの交換すると良いでしょう。
Vベルトはホームセンター等で比較的に簡単に入手することができますし高価なものではないので予備を必ず購入しておくことをお勧めします。。

凍結乾燥機のVベルトの種類

真空凍結乾燥機のVベルトの交換方法

Vベルトの交換方法は、機種により細かい違いがありますが、大きく分けると
①Vベルトカバーを外す。
②装着されているVベルトの型式を確認し、同じ型式のVベルトを用意する
③Vベルトをプーリーから外す
④新しいVベルトを装着する
という手順で交換します。

Vベルトを外す時は固定されているモーターのボルトを外し緩ませると簡単に取れます。
新しいVベルトを装着し、Vベルトの張り具合を確認します。
指で押して5~10mmぐらい押ししろがあるのが良い状態です。
次に水平、水平は定規など、真っ直ぐを確認出きる物をプーリーにあてがい確認します。
水平と張りが良ければ、モーターを固定し、ベルトカバーを付け交換終了です。

宝エーテーエム社製 真空ポンプに使用されているVベルト (参考)

※一部機種は違うものも使われているそうなので、古いベルトの外側に型式が記載されているので、同じ規格(サイズ)を取り付けましょう。Vベルトはサイズが規格なのでどこのメーカーでも良いのですが、私個人としては、三ツ星ベルト社の「レッドVベルト」が耐久性がありおすすめです。注文時には「三ツ星社のレッドVベルトA-34を1本ください。」という風に注文します。

Vベルト
規格 本数
電源周波数
50Hz/60Hz
真空ポンプ
型式
真空ポンプ
メーカー名
A-42 2本 50/60共用 RP-800Z 芝浦エレテック
A-34 1本 RP-360Z
A-32 1本 RP-180Z
A-31 1本 50Hz USW-150 佐藤真空
A-30 1本 60Hz
B-35 1本 50Hz USW-300
B-34 1本 60Hz
B-35 1本 50Hz USW-650
B-34 1本 60Hz
A-34 2本 50/60Hz共用 USW-960
A-39 2本 USW-1500

Vベルトの摩耗

Vベルトは摩擦により動力を伝達する為、使えば使うだけ、摩耗(摩擦によりすり減り消費する事)していきます。 真空ポンプの周りが黒い粉だらけで汚れている事がありませんか?
これはVベルトの削りカスです。
Vベルトは少しづつ削れて行ってしまうので、定期的な交換が必要になります。
切れてから交換すれば・・・では、大事な製品の乾燥途中でVベルトが切れてしまい、製品が正しく乾燥されない等の問題が起きてしまいます。
最悪、乾燥しようとしていた製品全てが使い物にならなくなってしまう事があります。

Vベルトの張りや緩み

Vベルトは大部分がゴムで出来ている為、使用する前に比べ使用後ではどうしても伸びることがあります。
Vベルトが伸びると張りが緩んでしまう為、プーリーにしっかりフィットしなく、空回りをしだす原因にもなります。
空回りすると言うことは、真空ポンプが正常に動作しなくなると言う事です。
しかし、張りすぎも良くはありません。
張りすぎたVベルトは、削りしろが多くなり千切れやすくなるなど負担がかかってしまい、寿命が極端に短くなってしまいます。
これらも製品の安定的な仕上がりの為には定期的な確認が必要になります。

Vベルトのカスが多い

交換したはいいけど、ゴミが異常に出る
Vベルト交換後、カスが多く出るのには二つの理由があります。
一つは新しいVベルトがプーリーに完全にフィットする過程までに出る場合。
これは交換したばかりでVベルトが馴染むまでに余分な部分が削れている状態です。 2~3回、使用する事でしっかり馴染み、徐々に削りカスが少なくなるはずです。 しっかり掃除をし1回で出る削りカスの量を確認して下さい。
もう一つは、交換により水平や張りが適切でなくなっている状態です。
張りすぎているとその分削られていきますし、プーリーが斜めにセットされていると片側が常に擦れている状態なので削れていきます。 こうなると切れるまでカスが出続けたり、寿命が短くなってしてしまう為、もう一度Vベルトを確認してください。

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